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~桃井製網株式会社・伊藤忠商事株式会社・Aquafil S.p.A.の3社によるケミカルリサイクルナイロン漁網プロジェクト~

リサイクルナイロンを使用した漁網の開発及び量産体制の確立について
~桃井製網株式会社・伊藤忠商事株式会社・Aquafil S.p.A.の3社によるケミカルリサイクルナイロン漁網プロジェクト~

桃井製網株式会社(本社:兵庫県赤穂市中広1576-5、代表取締役社長:桃井一光、以下「桃井製網」)、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)、Aquafil S.p.A. (本社:イタリア、CEO:Giulio Bonazzi、以下「Aquafil」)の3社は、ケミカルリサイクルナイロンである「ECONYL®」(以下、エコニール)を100%使用した漁網の開発・商品化に成功しました。今後、桃井製網は漁網や釣り糸におけるリサイクル比率の向上を目指していきます。

 

■背景

現在、世界では年間約115万トンの漁業由来のプラスチックごみが社会問題となっています(※1)。持続可能な海洋環境を実現するため、環境に配慮した製品の開発や、使用済み漁具等の海洋ごみのリサイクルへの取組が求められています。又、石化原料の使用削減によるCO2排出量の抑制は、今日世界が直面する最重要課題の一つです。私たちは漁網の世界において、我々の豊かな海や河川・湖そして地球環境そのものを守り次世代へと引き継いで行く為に、「使われなくなった漁網をリサイクルによって新しい漁網にする」という循環を確立すべくこのプロジェクトをスタートしました。

 

■エコニールを使用したケミカルリサイクルナイロン漁網

エコニールとは、Aquafilの持つケミカルリサイクル技術によって作られた、100%廃棄物由来のケミカルリサイクル6ナイロンです。廃棄される6ナイロンを解重合によってモノマーであるε-カプロラクタムへ戻した後、再び重合することでエコニールは作り出されます。エコニールは製造過程において、石化由来の従来のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減することができ、環境配慮型の素材として洋服やカーペット等の生地に採用されています。

一方で、漁網においては強度や耐久性が高度に求められるという品質特性上、これまでリサイクル原料を使用した漁網は普及していませんでした。しかしながらこの度、現行のナイロンと同等の品質を有するエコニール原料を用いて、桃井製網が紡糸から編網、製品化まで一貫して担うことでケミカルリサイクルナイロン100%、つまり石化原料をブレンドしていない「エコニール製漁網」が完成しました。桃井製網は、エコニール製漁網において既製品と同等品質(強度や伸度、外観等)での製造を可能とし、自社工場にて量産体制を確立しました。

 

また以前よりAquafilとナイロン循環リサイクルビジネスの拡大について提携してきた伊藤忠商事と協働で、世界中さまざまな地域での廃ナイロンの回収、その中でも桃井製網は廃漁網の回収に今後力を入れて取り組んで参ります。世界各地で廃棄される漁網の回収を行うことで海洋プラスチック流出の抑制に貢献し、エコニール製漁網の供給量を増加させていきたいと考えています。

廃漁網を含む廃ナイロンの回収→エコニールへ再生→エコニール製漁網へ再製品化

を3社が協働して進めることで、石化原料およびCO2排出量の削減に努め、未だ普及していない廃漁網リサイクルビジネスを進めることを目標としています。

 

【3社協働リサイクルビジネスのイメージ図】

*「エコニール」は廃漁網だけでなく、さまざまなナイロン廃材からできています。

 

■環境問題に対応するための桃井製網のビジョン

我々桃井製網は、「世界の漁業の発展と共に存続して行く」という基本理念のもとに、古くからいち早く世界の市場に目を向け、世界中の海の漁業者たちに求められる漁網づくりを行ってきました。それらのグローバルなコネクションを活かし、エコニール製漁網の製造および販売を行っていきます。世界の海に関わる人々とともに漁網の脱炭素化に取り組むことで、「水産資源の豊かな海づくり」に貢献していきます。

 

※1水産庁「漁業における海洋プラスチックごみ問題をめぐる状況と対策」

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